最大118cmまで成長する巨大猫メインクーンとは?歴史や特徴・4つの病気について




目次

メインクーンの歴史をたどってみよう

ふわふわとした長い毛を持つメインクーンは、長毛種好きにとってはたまらない猫種です。
そこで今回はそんなメインクーンの歴史を、詳しくご説明していきたいと思います。
アライグマや有名なマリーアントワネットとの関係性にも、ぜひ注目してみてくださいね!

 

北アメリカ・メイン州生まれのメインクーン

メインクーンは北アメリカで誕生し、メイン州の州猫として認められている猫種です。
しかし、人の手が加えられていない自然発生の猫種なので、起源が詳しく解明されておらず、さまざまな説があります。

北アメリカは寒さや暑さも厳しいもの。
そんな地域で生き抜いてきた猫種だからこそ、たくましい体つきと高い身体能力を持ち合わせています。

メインクーンは1961年、アメリカのキャットショーに初出場を果たしますが、世界的な猫血統書団体であるCFAに認められるまでには時間がかかりました。

その原因は、アメリカの土着ネコ(その土地にもともと住み着いている猫)の中には長毛種もいたため、珍しさがなかったからだといわれています。
また、1900年代に入ると同じく長毛種のペルシャに人気を奪われてしまったこともありました。

そんなメインクーンの人気を取り戻したいと思ったブリーダーたちは「MCBFA」という団体を設立し、1980年にはCFAだけでなく、TICAにも認められる猫種になったのです。

 

ワーキングキャットだったメインクーン

Photo via Visual Hunt

メインクーンはもともと、ネズミなどの害獣を駆除するワーキングキャットの役目を果たしていました。

交配によって誕生した猫種ではないので、ワーキングキャットになることで人間と上手に共存していたのです。

メインクーンの起源があると考えられているニューイングランド地方は気候条件が厳しいため、健康で環境に対する適応能力がある個体だけ生き残っていったとされています。

 

アライグマとメインクーンの奇妙な関係とは?

アライグマとメインクーンには、奇妙な関係があるという説が多く存在しています。
メインクーンという名前は、アメリカのメイン州とアライグマの仲間である「ラクーン」から取られています。

これは、メインクーンの毛色や体格がアライグマとよく似ていることから、名付けられたという説が有力です。
しかし、メインクーンはアライグマとの異種交配で産まれた猫種だという説もあります。

これは生物学上でありえないことですが、メインクーンの中には手で水をすくって飲む子もいたため、こんな説も考えられたようです。

 

メインクーンとマリーアントワネット説

Photo via Visual hunt

マリーアントワネットといえば、フランス革命で大活躍した有名な歴史上の人物ですよね。
メインクーンの起源には、そんなマリーアントワネットが関わっているという説もあります。

アメリカに亡命しようとしたマリーアントワネットは、大切に育てていた6匹の猫も連れて行こうと試みたそうです。

しかし、亡命は失敗に終わったため、飼い猫はメイン州のウィスカセット海岸にたどり着き、その猫たちが現在のメインクーンのもとになっているともいわれています。

 

実はバイキングの船猫だった!?

メインクーンの起源として一番有力だといわれているのが、この説です。
西ヨーロッパ沿海部を侵略した海賊の「バイキング」は、ネズミなどの害獣駆除をメインクーンに任せていたといわれています。

こうした猫たちは、その土地で生息していた土着ネコと交尾をして、メインクーンの原型を作っていったのだともされているのです。

大型で長毛種なメインクーンは、ノルウェージャンフォレストキャットと似ているところも多いものです。

そのため、ノルウェージャンフォレストキャットと同じように、誕生にはバイキングが関わっているともいわれています。

 

クーン船長がメインクーンの名付け親?

メインクーンはクーン船長という人がもとになって生み出された猫種だという説もあります。
イギリスのクーン船長は、1700年代に北アメリカのニューイングランド沿岸に、ペルシャ系やアンゴラ系の猫たちを連れてきたそうです。

中国から北アメリカに連れてこられたその猫たちは、その土地の土着ネコと交配し、それがメインクーンのもとになったという説もあります。

 

メインクーンの4つの特徴とは?

歴史が分かったところで、気になるのがメインクーンの特徴ですよね。
大きな体をしていて、まるでタヌキのようなメインクーンは見た目的にもたくさんの特徴を持っているのです。

では、これからメインクーンならではの4つの特徴を詳しく解説していきたいと思います。

 

メインクーンの毛色は30種類以上!パターンも豊富

メインクーンの毛色はとてもバリュエーションが豊富です。
ホワイトやブラック、ブラウンといったシンプルなカラーから、タビー&ホワイトやキャリコ&バイカラーといった個性的な毛色も楽しめます。

表れる毛色の数はおよそ30種類以上ともいわれているので、自分好みの子も探しやすくなるでしょう。
パターンもポインテッド以外ならすべてのパターンが認められているのも、特徴です。

ちなみに、1985年のアメリカでのキャットショーでベストキャットに選ばれたメインクーンは、ブラウンタビーでした。
そのせいか、現在でも一番人気の毛色はブラウンタビーであるそうです。

 

ふわふわした首周りと耳の中の飾り毛が特徴

長毛種のメインクーンは、首の周りが特にふわふわしているのが特徴です。
そして、耳の中にも「飾り毛」と呼ばれる長めの毛が生えています。

こうした飾り毛は耳の中だけでなく、手足の先に見られることもありますよ。

 

まるでタヌキ!しっかりした耐水性のある被毛としっぽ

メインクーンはもともと、厳しい気候環境の中で生き抜いてきた猫です。
そのため、被毛は厳しい寒さにも耐えられるような分厚めのダブルコートになっています。
被毛は耐水性があるので、水を弾きやすくなっているのも特徴です。

そして、しっぽはまるでたぬきのようにふわふわとしています。
尻尾の長さはボディよりも長めで、根元が太く、先端が細めになっているのもチャームポイントです。

 

くさび形の頭に大きな三角形の体!体重はギネス級

ロング&サブスタンシャルタイプのボディをしているメインクーンは、やや縦長でくさび型の頭をしています。
そして、最大の特徴ともいえるのは、その大きさです。

大型猫のメインクーンは平均体重が4~6.5kgほどだといわれています。
一般的な猫の平均体重は、およそ3~4kg程度なので、いかにメインクーンが大きいのかが分かりますよね。

また、メス猫よりもオス猫の方が大きくなるため、オス猫の中には10kgを軽々と越えてしまう子も少なくありません。
そして、体重だけでなく、体長が長いのもメインクーンの特徴です。

その証拠に、イギリス在住のケルシー・ギルさんが飼われているルドくんは118.33cmという長さでギネス記録に認められています。

 

メインクーンの性格はまるで犬のよう!?

大型なメインクーンはボディの大きさから、怖そうと思われてしまうこともあるものです。
しかし、本当はまるで犬のような猫と言われるほど飼い主さんに忠実だったり、甘えん坊だったりと、とても穏やかな性格をしています!

 

オスは特にとっても甘えん坊

Photo credit: Jorbasa via Visualhunt.com / CC BY-ND

メインクーンは人間好きな猫種です。
そのため、飼い主さんに対して甘えてくることも多いでしょう。
中でも、オス猫はとても甘えん坊で、飼い主さんへしっかりと愛情表現をしてくれます。

足元にすり寄ったりするだけではなく、抱っこをされることが好きな子も多いので、スキンシップ好きな方にとってはたまらないパートナーになってくれるはずです。

また、甘えん坊とはいってもシャムのような強い依存心は持っていないので、ベタベタされるのが苦手だという方でも飼いやすい猫種だといえます。

 

犬のように飼い主さんに忠実

猫といえば、やんちゃでイタズラすきなイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし、メインクーンは他の猫種よりも飼い主さんに忠実な態度を示してくれます。

犬のような猫といわれるメインクーンは、飼い主さんの言いつけを守ってくれることも多いものです。
こうした特徴を生かし、飼い主さんの中には芸を覚えさせる方もいます。

ボール遊びやご飯前のお手なども覚えてくれやすいので、しつけを通しながらスキンシップも取ることもできます。

 

めったに怒らない!?優しく穏やかな性格

例えば、小さな子供から雑に触られてもじっと我慢をする子も少なくありません。

また、子供相手だけでなく、同じ猫相手や他の動物に対しても優しい態度で接してくれます。
そのため、たくさんの猫に囲まれた多頭飼い生活をしてみたいと思っている方にもおすすめです。

ただし、優しい性格をしているからこそ、ストレスを溜めこみやすいという一面もあります。
ストレスを溜めこみすぎると膀胱炎などの病気を引き起こしてしまう可能性もあるので、飼い主さんが遊びなどを通して解消してあげるようにしましょうね。

 

とっても賢く、前足を使うのが上手

Photo credit: idea-saras via Visualhunt / CC BY

メインクーンは、前足を器用に使う子が多いのも特徴です。
頭が良くて器用なため、中には飼い主さんの真似をして引き出しやドアを開けてしまうなんていうこともあります。

ですから、触ってほしくないものや危険なものは棚にしまいこむのではなく、メインクーンが入れない部屋で保管をしておくようにしましょう。

特に子猫のうちは何にでも興味を示しやすいので、飼い主さんがこまめに様子をチェックしてあげることも大切です。

 

水で遊ぶのが大好きなメインクーンもいる!?

猫の中では珍しく、メインクーンの中には水で遊ぶのが好きだという子も多いものです。
これは、メインクーンの被毛に耐水性があるということに関係があります。

猫の被毛は水に濡れると乾きにくいため、猫自身も「水は苦手だ」と思うようになるのです。
しかし、耐水性があれば、乾くのも早いものです。
そのため、水を怖くないと思い、平気で水遊びをするようになります。

ただし、水が平気だからこそお風呂場などの水場では注意が必要です。
特に子猫のうちは浴槽やトイレに落ちて、命を落としてしまう危険があるので、飼い主さんがいないときは入れないようにしておきましょう。

 

メインクーンがかかりやすい病気とは?

見た目も性格も愛くるしいメインクーンですが、遺伝的にかかりやすい病気もあります。
あらかじめ、どんなかかりやすい病気や症状を知っておけば、早期発見もできますよね。

病気を知ることはメインクーンの平均寿命を延ばすことにも繋がるので、ぜひチェックしてみてください。

 

メインクーンの平均寿命は?

メインクーンの平均寿命はおよそ13年前後とされています。
一般的な猫の平均寿命は15年程度といわれているので、比べるとやや短い印象を受けるかもしれません。

しかし、こうした平均寿命は飼い主さんの努力によって延ばすことが可能です。
例えば、合成着色料の含まれていない安全なキャットフードを与えたり、尿のpHを気遣える泌尿器疾患用のものをチョイスしたりするのもよいでしょう。

 

多発性のう胞腎

腎臓病のひとつである多発性のう胞腎は、難病指定されている病気で、一度発症すると完治させることができません。

腎臓の組織が徐々に破壊されていき、「のう胞液」という液体がつまった袋(のう胞)が現れます。
そののう胞が大きくなっていくと、腎臓の機能が正常に働かなくなってしまいます。

そのため、症状としては食欲不振や嘔吐が見られたり、食べているのに体重が減っていったりするのです。

多発性のう胞腎は3歳頃に発症することが多く、その後7歳前後のシニア期に腎不全を引き起こすのが特徴だとされています。

しかし、病気はゆるやかに進行していくので、飼い主さんが早期発見をすることはなかなか難しいでしょう。

多発性のう胞腎は、触診だけでは発見できない病気なので、年に1回の定期健診や遺伝子検査をしっかりと行うことも大切な予防法です。

 

脊髄生筋萎縮症

Photo credit: shok via Visualhunt.com / CC BY-NC-ND

脊髄生筋萎縮症は、生後3~4ヶ月頃に発症することが多い病気です。
この病気は発症すると、手足の筋肉を動かす脊髄の神経が消えてしまうので、体の自由がきかなくなります。

筋力も低下していき、有効な治療法もないので、この病気を発症した子は短命になることも多いのです。

もしも子猫なのにジャンプができないという場合は、この病気によって筋力が低下しているサインかもしれないので、すぐに病院へ連れていきましょう。

また、脊髄生筋萎縮症も遺伝子検査で発見することができる病気です。
そのため、不安な方は事前に検査を受けさせてみるのもよいでしょう。

 

股関節異形成症

股関節異形成症は、太ももの骨と骨盤の骨を繋いでいる股関節の形に異常が見られる病気です。
この病気は、犬がかかりやすい病気だと思われがちですが、メインクーンも発症します。

一説によれば、股関節異形成症にかかる猫種はメインクーン、ペルシャ、ヒマラヤン、デボンレックスなどに多いとされているので、飼い主さんは事前に注意しておきましょう。

股関節異形成症にかかると、猫は運動を嫌がるようになったり、腰を左右に揺らしながら歩くようになったりします。
また、中にはスキップをするように歩く子もいるようです。

しかし、股関節異形成症は早期発見ができれば安静にしたり、薬を使ったりすることで対処ができます。

ですから、もしも飼い猫が高いところから降りるのを嫌がったり、歩き方が変わったという場合は獣医さんに一度相談をしてみましょう。

 

肥大性心筋症

メインクーンがかかりやすい病気の中でも一番危険なのが、この肥大性心筋症という病気です。
肥大性心筋症は心臓の筋肉が内側に向かって分厚くなっていく病気で、心不全を引き起こすこともあります。

また、心臓の中にできた血栓が血流によって運ばれると、後足の血管が詰まってしまうことも少なくないそうです。
しかし、この病気は重症化するまで具体的な症状が現れません。

息を切らしたり、後ろ足を痛がったりと目に見えた症状が出始める頃には、病気がかなり進行していたという場合も多いのです。

肥大性心筋症は生後6ヶ月から4歳までのオス猫に多くみられる病気なので、定期健診のときに心エコー検査をしてもらうようにしましょう。

 

メインクーンの飼う上での注意点とは?

長毛種のメインクーンの美しさや健康を保つためには、ブラッシングやシャンプーも大切です。
では、実際にどんなお世話をしておけばよいのかを詳しくチェックしてみましょう。

 

長毛種の猫なのでブラッシングは欠かさずに

メインクーンはアンダーコートを持っている長毛種なので、しっかりとブラッシングをしてあげましょう。

長毛種の子は、自分のグルーミングだけでは抜け毛対策を完全に行えないので、飼い主さんがきちんとケアしてあげることが大切です。

ブラッシングのときは、ブラシを使う前にコームで一度毛の流れを整えましょう。
こうすることで、毛玉がなくなり、ブラッシング時に毛をひっぱってしまうこともなくなります。

また、猫用のブラシは短毛種用と長毛種用があるので、必ず長毛種用のものでブラッシングをしてあげましょうね。

 

できることならシャンプーもしてあげて

Photo credit: svenwalter via Visualhunt / CC BY-SA

長毛種のメインクーンは、短毛種よりも抜け毛が多くなります。
特に春と秋の、毛が生え変わる換毛期は大量の毛が抜けるはずです。

そんな、ブラッシングでは十分に抜け毛をカバーできないと思った時は、シャンプーをしてあげるのもよいでしょう。

メインクーンは水をあまり苦手に思わない猫種ですが、子猫のうちからシャンプーになれさせておくとスムーズにケアができます。
苦手な子の場合は、洗面器やお風呂の桶の中に入れてシャンプーを行いましょう。

また、どうしてもシャンプーができない場合はドライシャンプーや蒸しタオルを使うのも効果的です。

 

爪切り・耳掃除は猫を飼うなら忘れずに

メインクーンに限らず、爪切りや耳掃除は猫にとって必須なお世話です。
爪切りをするときは、人間用のものを使ってしまうと爪が割れてしまう可能性があるので、必ず猫用のものを使いましょう。

猫の爪をよくみてみると、ピンク色をしている部分がありますよね。
そこは血管が通っている場所なので、切ってしまうと猫が痛みを感じてしまいます。

ですから、初心者さんが爪切りを行うときは、爪の先の尖っている部分を少しだけ切るのもおすすめです。

爪切りは暴れる子が多いため、切る人と猫を抱っこする人に分かれて2人がかりで行うと、スムーズにできますよ。

そして、耳掃除をするときは張り切って耳の奥まで掃除をしないように注意しましょう。
耳掃除は、コットンやティッシュペーパーを指に巻きつけて、入り口付近を軽く拭くだけでOKです。

汚れが気になるときは、耳掃除専用のローションを染みこませて掃除をしましょう。
猫の耳掃除は、人間のように綿棒を使って行わないことが大切です。

奥の方まで掃除をしようとすると、猫が暴れたときに耳を傷つけてしまう危険があるので、絶対にやめましょうね。

 

可愛いメインクーンの動画

メインクーンについて詳しくなったところで、改めてメインクーンのかわいさを動画で確認してみましょう。

歴史や注意点を踏まえたうえで見てみると、よりメインクーンの良さに気づけるかもしれませんね!

 

メインクーンの入手方法と販売価格は?

メインクーンはメジャーな猫種なので、ペットショップやブリーダーから購入することができます。
平均価格はペットショップだとおよそ25万程度で、ブリーダーの場合は30万程度です。

しかし、中には保護猫として里親を募集されていることもあるので、里親サイトなどもこまめにチェックしてみましょう。

 

心優しいメインクーンと幸せ猫ライフを!

メインクーンは見た目だけでなく、性格にも大きな魅力がある猫種です。
温厚で賢いメインクーンは、初心者さんでも飼いやすく、しつけもしやすいといえるでしょう。
気になった方はぜひこれを機に、メインクーンをベストパートナーにしてみてくださいね。










コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です