ETのモデルにもなった猫スフィンクス!その特徴と性格・育て方は?




毛のない猫!?スフィンクスの生い立ちや特徴

猫が持つ、ふわふわとした感触の被毛が好きな方も多いと思いますが、猫の中には「スフィンクス」という、毛を持たない無毛の猫も存在しています。

そこで今回はスフィンクス誕生の歴史や特徴などを詳しくご説明いたしますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

スフィンクスはカナダで生まれた突然変異種

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スフィンクスは、1966年にカナダのオンタリオで発生した子猫が起源だといわれている猫種です。
突然変異種なので、人の手による交配ではなく、自然に発生しているのが特徴です。

もともと、一般的な猫のようにふわふわとした被毛を持たない無毛の猫は昔から生息していましたが、なかなか血統が続いていきませんでした。

しかし、オンタリオの子猫は普通の白黒猫が親だったのにも関わらず、誕生したのは、まったく毛をもっていない無毛の猫でした。

その子猫は「プルーン」と名付けられ、ブリーダーたちの手によって無毛猫の繁殖が進められましたが、あまりよい結果を生まなかったそうです。

そうして無毛猫の繁殖に励んでいた1975~1978年は、アメリカのミネソタ州やカナダのトロントでもプルーンと同じような無毛の猫が誕生した時期でもありました。

アメリカやトロントで誕生した猫たちはその後、巻き毛が特徴的なデボンレックスと異種交配させられましたが、こちらもプルーンのときと同じで、あまりよい結果が出なかったそうです。

そのため、アメリカの世界的な猫種公認機関であるCFAではスフィンクスの交配にルールをつくりました。

スフィンクスと交配させてもよいのはアメリカンショートヘアや、土着(その土地にもともと住み着いている)の短毛猫だと定めたのです。

しかし、イギリスの世界的な猫種公認機関であるGCCFではロシアンブルーとの交配も認められています。

こうした決まりがあるので、スフィンクスの交配ルールは国によって大きな違いがあるといえるでしょう。

ちなみに、現在のスフィンクスのもとになっているのは、1970年代にミネソタ州やトロントで見つかった無毛の猫たちだという説が有力です。

初めに見つかった無毛猫、プルーンの子孫はスフィンクスという猫種が確立する前に絶滅してしまったので、現在のスフィンクスのもとにはなっていません。

なお、正式にスフィンクスが猫種として認められたのは1980年と意外にも最近なため、まだまだ歴史の浅い猫種だといえるでしょう。

本当に全く毛がないの?

無毛猫であるスフィンクスは、まったく毛が生えていないと思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際は皮膚の表面にごく短い産毛が生えているのです。

イメージとしては、桃の表面のような見た目です。
しかし、感触はスウェードのようになめらかな手触りをしています。
さらに、スフィンクスは他の猫種と違って、顔にヒゲが生えていないのが特徴です。

また、セミフォーリンタイプのスフィンクスは筋肉質なボディをしています。
他の猫種に比べて耳が大きく、離れ気味についており、手足の先はほっそりとした卵形をしているのもスフィンクスならではだといえるでしょう。

そして、皮膚には他の猫には見られないような、深いしわが刻まれています。
毛を持っている猫種だと毛色は被毛に現れますが、スフィンクスの場合は皮膚に色が現れるのもチャームポイントです。

似てるでしょ?スフィンクスとETの関係は?

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スティーブンスピルバーグ監督が制作した「E.T」は、誰もが知っている有名な海外映画ですよね。

実は、その中に出てくるエイリアンのE.Tは、スフィンクスをもとに考えられたキャラクターだといわれています。

また、スフィンクスはE.Tだけではなく、1997年に製作されたアメリカ映画「オースティン・パワーズ」にも出てきたりと、映画界も大注目な猫種なのです。

スフィンクスは猫アレルギーがない?

猫が好きだけれど、猫アレルギーなため、猫を飼うことができないという方にもスフィンクスはおすすめの猫種です。
そもそも、猫アレルギーは「アレルゲン」によって引き起こされます。

アレルゲンは猫の被毛や唾液に含まれているため、猫に触ったり、舐められたりすると目がかゆくなったり、鼻水が出たりといったアレルギー反応が見られるのです。
重症な場合は、胸が苦しくなったりすることもあるでしょう。

しかし、一般的な猫と違ってスフィンクスはほとんど毛が生えていないため、アレルギーを引き起こしにくいといえます。

その証拠に、スフィンクスは猫アレルギーの方でもアレルギー反応が出にくい「ハイポアレジェニック・キャット」としても認められている猫種なのです。

初心者におすすめ!スフィンクスの4つの性格とは?

スフィンクスは他の猫種とは違った見た目をしているため、「飼うのが難しいのではないか?」と思われることもあります。

しかし、好奇心旺盛だったり、人懐っこかったりと内面のかわいさは猫種の中でもピカイチだといえるでしょう。

では、実際にスフィンクスはどんな性格をしているのかを、これから分かりやすくご説明していきたいと思います。

好奇心が旺盛でとってもいたずら好き!

スフィンクスはその見た目からよく、「性格が怖い猫種なのでは…?」と誤解されやすいものです。
しかし、実際は好奇心が旺盛で、遊ぶのが大好きだという無邪気さを持ち合わせた猫種です。

血統書付きでもペルシャのような長毛種とは違って、大人しくお家の中でじっと過ごすタイプではありません。
そのため、飼い主さんは遊びを通しながら、愛猫とコミュニケーションを図ることもできます。

ただし、いたずら好きな一面があるので、家を留守にするときは注意が必要だといえるでしょう。
触ると危険なものや壊されたくないもの開けられないような引き出しの中に入れたり、猫が入れない部屋に保管したりすることでいたずら対策をしていきましょう。

冒険が大好き!放し飼いをするのは絶対NG!

スフィンクスは好奇心が旺盛な一面があるため、冒険をすることも大好きです。
だからこそ、興味をそそられると、行ったことがない場所でも探索したくなってしまう子が多いので、気を付けましょう。

スフィンクスを放し飼いにしてしまうと、好奇心から事故にあったり、行方不明になってしまうことも少なくありません。

冒険心を満たしてあげるには外の世界を探検させるよりも、おうちの中で思いっきり遊ばせてあげるようにしてみましょうね。

賢く人懐こいので、子供相手でもへっちゃら

Photo credit: carophoto via Visualhunt / CC BY-NC

スフィンクスはその見た目からは想像できないほど、とても人懐っこい猫種です。
飼い主さんに対してはもちろんですが、小さな子供に対しても深い愛情を示してくれるので、安心して子供と一緒に過ごさせることもできます。

また、頭がよくて賢いので猫を飼うのが初めてだという方でもしつけがしやすいというメリットもあるのです。
忠実な態度を見せてくれるので、飼い主さんもストレスが溜まりにくいでしょう。

そして、鳴き声が小さいという特徴もあるため、マンションなどの集合住宅で暮らしている方でも飼いやすいことも魅力です。

ストレスを感じることが少ないため人見知りりしない

飼い主さんに対して愛情深い態度を示してくれるスフィンクスは、基本的にはあまり人見知りをしない猫種です。
そのため、突然の来客にもストレスを感じずに対応してくれます。

猫の中にはチャイムの音が鳴るだけで恐怖を感じてしまうタイプもいますが、スフィンクスは知らない人に対しても人懐っこい態度を見せてくれることが多いものです。
ですから、来客が多いおうちでもストレスを溜めさせずに育てていくことができるでしょう。

スフィンクスを飼いたい人のための基本情報

誕生秘話や性格を知ると、スフィンクスという猫種に強い魅力を感じるようになった方もいるのではないでしょうか。

そんな方はスフィンクスの平均価格や寿命などを詳しく知ることで、具体的におうちへ迎えるシミュレーションをしてみましょう。

ペットショップとブリーダーで違う平均価格は?

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スフィンクスはマイナーな猫種ではないので、ペットショップでも比較的手に入りやすい猫種だといえます。

ペットショップで購入する場合の平均価格は、およそ20万前後となっており、他の猫種と大差がありません。

しかし、ブリーダーに頼る場合はペットショップで購入するよりも金額が高めになることがほとんどです。

ブリーダーから購入する場合の平均価格は30~40万程度となるので、あらかじめ覚悟しておきましょう。

また、ブリーダーから購入することには大きなメリットもあります。
それは、健康状態がしっかりとしているスフィンクスが手に入りやすいということです。

さらに、ブリーダーは1匹1匹の性格を把握しながら育てている人も多いので、自分に合った性格のスフィンクスを手に入れやすくなるというのもメリットのひとつだといえます。

スフィンクスの平均体重はどのくらい?

筋肉質なスフィンクスの平均体重は3~5kg程度で、一般的な猫とあまり変わりがありません。

一般的な猫と同じで、メスよりもオスの方が大きく育つことが多いものです。
しかし、オスの場合でも平均体重は4~6kg程度とされているので、それほど大型な猫種ではないといえるでしょう。

意外と長生きする…スフィンクスの平均寿命は?

スフィンクスの平均寿命はおよそ、12~14歳前後といわれています。
一般的な猫の場合の平均寿命は、およそ15年ほどとされているので、そこまで大差はありません。

しかし、中には飼い主さんが驚くほど長生きしてくれる子もいたようです。
例えば、海外では「グランパ」という名前のスフィンクスが34歳2ヶ月4時間生きたという長寿記録を持っています。

グランパは「クレームパフ」という猫に記録を更新されるまで、世界一の長寿猫としてとても話題になりました。

飼い主さんによれば、生前は野菜などを好み、よくブロッコリーやアスパラガスなどを食べていたそうです。
ちなみに猫の34歳は人間でいうと、およそ152歳程度だとされています。

スフィンクスを飼っている芸能人(壇蜜)

スコティッシュホールドやマンチカンといった、定番の人気猫種を飼っている芸能人は多いものです。
しかし、中にはスフィンクスを飼っている方もちゃんと存在しています。

特に有名なのが、品のある色気を持ち合わせた人気タレントの壇蜜さん。
壇蜜さんは、自分自身が成功した証としてスフィンクスをおうちに迎えたそうです。

名前は、自身が好きなジャズミュージシャンの「クインシー・ジョーンズ」さんからいただき、「クインシー」と名付けおられ、漢字で「久石」と記すこともあるようです。

これだけは気を付けて!スフィンクスを飼う上で気を付けたいこと

スフィンクスと楽しい猫ライフを送るためには、飼い主さんが注意してあげなければならないことがあります。

スフィンクスは一般的な猫とは違う無毛猫だからこそ、皮膚のお手入れや温度管理などを徹底してあげるようにしていきましょう。

無毛なのでブラッシングはしなくてよい

猫というと、毎日のブラッシングが必要なのでは?と思う方も多いかと思います。
しかし、産毛のようなごく短い被毛しか生えていないスフィンクスにはブラッシングをする必要がありません。

被毛が生えていないスフィンクスの皮膚は、とてもデリケートです。
そのため、無理にブラッシングをしようとすると皮膚を傷つけてしまう可能性があるので注意しましょう。

皮膚が弱いため皮膚病には注意してあげよう

スフィンクスは皮膚が直接さらされているため、他の猫種よりも皮膚病にかかりやすいといえます。
皮膚病は、皮膚に刺激が加わることで現れる病気です。

症状としては、しきりに体を書いたり、フケがみられたりします。
そして、症状が進行すると炎症が見られ、猫も患部に痛みを感じるようになるのです。

治療法としては、皮膚病の原因を見つけることがカギになります。
例えば、ノミやダニによって皮膚病が引き起こされている場合は駆虫薬を使って、原因を取り除いていきましょう。

猫が痛みを感じている場合は、病院で抗生物質を投与してもらって炎症を静めてあげるのもおすすめです。

また、皮膚病は体を清潔に保つことで防ぐことができる病気でもあるので、飼い主さんのこまめなお世話で予防をしていきましょう。

お手入れはしわの間をしっかり拭いて

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スフィンクスは被毛がないため、他の猫種よりも皮脂が多いものです。
こうした皮脂は皮膚病の原因にもなるので、体を清潔に保ってあげることが大切になります。

特に、スフィンクス特有のしわの間は皮脂が溜まりやすく、雑菌が繁殖しやすいものなので、蒸しタオルなどを使って清潔にしてあげましょう。

また、一般的な猫の場合はお風呂に入れる必要がありませんが、スフィンクスはお風呂にいれることを習慣にしてあげるのもおすすめです。

ペット用のシャンプーを使って全身を綺麗に洗ってあげれば、皮膚病にかかるリスクもグっと少なくなっていくでしょう。

そのためには、子猫のうちからお風呂に慣れさせていくのがおすすめです。
お風呂やシャンプーは、2週間に1回程度行うのが理想的だといえます。

温度調整が苦手なので飼い主さんが守ってあげて

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ほとんど毛が生えていないため、スフィンクスは温度調節が苦手です。
もともと、スフィンクスは他の猫種よりも体温が高めであるといわれていますが、気温の差によって体調を崩してしまうこともあるので注意が必要です。

特に、日本の冬は寒さが厳しいので、暖房をこまめにつけたり、ペット用ヒーターや湯たんぽを活用していきましょう。

ただし、ペット用ヒーターや湯たんぽは低温やけどをしてしまう危険性があるので、飼い主さんがこまめにチェックすることが大切です。
また、愛猫が嫌がらないのであれば、服を着せて防寒対策をしてあげるのもよいでしょう。

放し飼いや多頭飼いは絶対してはいけない

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スフィンクスは好奇心が旺盛な猫種なので、放し飼いをすることはNGです。
特に去勢や避妊をしていない場合は、交尾する相手を求めて普段よりも遠くへ出かけて行ってしまい、そのまま帰れなくなるケースも少なくありません。

行方不明になったり、事故に合うことを避けるためには室内飼いを徹底させるようにしていきましょう。
また、スフィンクスを飼うときは多頭飼いを避けることも大切だといえます。

温厚な性格のスフィンクスは、他の動物や猫相手にも優しく接してくれることが多いものです。
しかし、肌が弱いため多頭飼いをしてしまうと、喧嘩をしたときやちょっとしたじゃれ合いで深い怪我を負ってしまう可能性があります。

さらに、スフィンクスは愛情深い性格だからこそ、飼い主さんへの依存心が少し高めです。
十分に構ってもらえないと嫉妬心から、同居猫との仲が悪くなってしまったり、粗相などの問題行動をし始めてしまうので注意しましょう。

紫外線にも弱いので注意が必要

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スフィンクスは皮膚が外にさらされているため、紫外線に弱いという特徴もあります。
紫外線は、皮膚がんを引き起こす原因になるともされています。
敏感な皮膚を守るためには、室内飼いでも紫外線対策をしっかりと行っていきましょう。

例えば、被毛の代わりとしてペット用の服を着せるのもよいですし、自宅の窓ガラスにUVカットフィルムを張るのもおすすめです。

こうした紫外線対策を夏場だけでなく、年中通して行うことでスフィンクスの皮膚を守っていきましょう。

呼吸器系の疾患に注意

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スフィンクスは、遺伝的に呼吸器への感染症が起きやすい猫種です。
特に、産まれてから3ヶ月くらいの子猫の時期は呼吸器系の疾患にかかりやすいとされているので、気を付けましょう。

スフィンクスをおうちに迎えることを検討している方の中には「小さな子猫のうちから育ててみたい」と思っている方もいるかもしれません。

しかし、呼吸器系の疾患が起きやすい猫種であるため、猫を飼うのが初めてだという方は生後3ヶ月を過ぎてからおうちにむかえたほうが安心だといえるでしょう。

遺伝的に心臓病が発症しやすい

スフィンクスは猫種の中でも、心臓病が起きやすいとされています。
一説によれば、全体の30%以上が何らかの心疾患を抱えているともいわれているので、おうちに迎えるときは健康診断をきちんと行うことも大切です。

中でも、心室の壁が中心に向かって腫れてしまう「肥大型心筋症」や血液の流れを調整している僧房弁に障害が起きて、血液が逆流する「僧帽弁閉鎖不全症」という病気にかかりやすいとされています。

こうした心臓病は、どちらも完治させるのが難しいのも特徴です。
そして、僧帽弁閉鎖不全症は小型犬に多い病気で、猫が発症するケースは珍しいともされています。

また、肥大性心筋症は症状の個体差が大きく、ゆっくりと病気が進行する子もいれば、突然症状が悪化してしまう子もいるため油断ができません。

症状が一度回復しても、またすぐに悪化してしまうこともあるので、寿命を全うすることも難しくなります。

心臓病は症状が軽いうちは無自覚である場合も多く、早期発見ができない病気でもあるので、日頃からこまめに愛猫の様子をチェックしていきましょう。

例えば、激しい運動をしていないのにもかかわず息切れをしていたり、愛猫が疲れやすかったりする場合は一度病院で詳しい検査を受けてみることが大切です。










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