猫の回虫って何!?人にも感染する恐ろしい病気だった




「猫の回虫ってなに?」って疑問に思うかもしれませんが、猫の回虫とは白い紐状の寄生虫なんです。回虫という寄生虫は実は猫だけでなく、人にも感染する恐れがある恐ろしい生き物なのです。

野良猫に多く感染する寄生虫と考えられていますが、実はその感染源は様々あり、うちで飼っている猫にでも感染する可能性が十分にあります。今回はそんな人へも感染しかねない恐ろしい回虫症について、感染経路から予防法まで詳しくお伝えしていきます。

これからお伝えしていく記事を参考に回虫症が恐ろしい病気だと十分に理解し、猫の回虫をできる限り予防するのが、愛猫だけでなく飼い主のあなたの為にもなるはずです。

猫が回虫に寄生される主な感染経路は?

猫回虫とは白い紐状のミミズの形をした寄生虫で、大きさは、小さい物で体長は4cmほどあり、大きい回虫になると12cmまで成長する回虫もいて、はっきりと目で確認する事ができます。猫回虫はとても抵抗力の強いと言われている寄生虫で、様々な所に生息しているんです。

ほとんどの回虫が寄生もととなるのは、ミミズのような形をした成虫ではなく、虫卵から形成される幼虫からなんです。回虫の幼虫が一度猫に寄生してしまうと、全身の組織に存在するようになり、成虫になると小腸などに寄生し養分を奪い始めます。

こちらではそんな回虫が、主に寄生しやすい感染経路をお伝えしていきます。感染経路を知っているだけでも、回虫の予防にもなりますので、必ずチェックしておくことが大切です。

寄生している獲物を間接的に食べる事で感染する

猫回虫は、猫や人間だけでなく様々な生き物にも寄生する寄生虫で、回虫にすでに寄生されているネズミや鳥などの、獲物を間接的に食べる事で感染してしまいます。感染経路は主に野良猫に多いとされていて、野良猫の感染率は80%を超えると言われているんです。

私の知っている方も、可愛そうな野良猫を拾って飼い始めた所、回虫に寄生されていた経験もあるほど、高い確率で感染されています。回虫が寄生するそのほとんどは経口感染となっているので、外で遊びに出ている子なども、寄生している獲物を食べないように注意しなくてはいけないんです。

足元の毛づくろいをし虫卵を取り込む

上記でもお伝えしたように、回虫は非常に抵抗力が強い生き物で、様々な所に生息している可能性が高いと言われています。そんな回虫の虫卵を猫が踏んでしまい、手足を毛づくろいをし卵を取り込んでしまう事で、寄生されてしまうこともあるんです。

始めは虫卵ですので、回虫に感染していると分かりずらく、成虫になるにつれ「回虫症になっている!」と分かるケースがほとんどと考えられます。綺麗好きな猫だからこそする毛づくろいが、経口感染の落とし穴ともなりえるんです。

多頭飼いの方に気をつけてもらいたいのは、一匹でも回虫に寄生されているとしたら、猫のうんちに他の猫が触ってしまうことでも感染してしまいますよ。

寄生した猫のうんちには高確率で虫卵が混入しており、うんちを触った手足をなめってしまうことで他の猫にも寄生してしまう可能性も十分にあるんです。

母猫のお乳からも

すでに回虫に感染されている母猫のお乳を、子猫が飲む事でも感染してしまいます。回虫の虫卵は、全身の組織に存在する事から、母猫のお乳からでも感染すると言われているんです。

子猫が回虫に寄生される場合はこのケースが多く、母体に原因があるんです。このように母猫からのお乳から寄生してしまいますが、胎盤を介した感染はないとされています。

外の水たまりを飲む

回虫は生命力が強い事はお分かりして頂けたと思いますが、回虫の卵は土や畑などだけでなく、雨などが降った次の日の水たまりにも潜んでいる事があります。水たまりを飲んでしまうことで、回虫に寄生される可能性も十分にあるんです。

水たまりだけでなく、バケツに溜まった水や川の水などにも、回虫の卵が潜んでいることもあるんです。先ほども言いましたがこの感染経路も、野良猫に多いと考えられていますが、飼っている猫が外に散歩に行き、そのような水を飲んでしまい、感染することもあります。

猫の回虫症によって現れる症状

猫が回虫に寄生される主な感染経路を上記ではお伝えしていきましたが、猫が回虫に寄生された病気の事を「回虫症」と呼び、猫の体の中に住み続ける事で、様々な症状が現れてくるんです。

猫回虫という病気は自然治癒をする事はできないので、治療が必要不可欠なのです。成猫の場合は、症状が軽い場合もありますが、子猫の場合は小腸が閉鎖してしまうなどの、重い病気にもなりかねないので注意が必要なんです。

こちらではそんな回虫症によって現れる症状をお伝えしていきますので、もし飼っている猫にこのような症状が見られた時には、「回虫症にかかっている」と疑う事も大切です。

嘔吐を繰り返す

回虫症によって現れる症状の一つ目は、何度も嘔吐を繰り返します。急に苦しそうに「グエグエ」とし、何度も吐いてしまうんです。回虫の幼虫から成虫になると、主に栄養分をとる為、食道や気管支などに移動し寄生することから何度も嘔吐をすると考えられています。

私の知っている猫の場合では、何度も透明な液体を吐きだしていると思ったら、「白い紐状の回虫も一緒に吐き出した」という経験もあります。もしこのような症状が見られた時には、ほぼ100%回虫症にかかっていると思ってあげて下さい。

咳が連続して出る

回虫症にかかると嘔吐だけでなく、咳が連続してでる事もあります。猫風邪に似た症状で、判別するのは難しいかもしれませんが、湿った咳ではなく乾いたような、「ゴホゴホ」とした咳の症状が現れてくるんです。

呼吸器系に感染すると、呼吸困難になり連続して咳が出ると言われています。症状を放置すると、肺炎など重症化してしまった子も私は知っているので、一度獣医に相談することが重要になってきます。

下痢をする

回虫に寄生されてしまうと、消化不良を起こし下痢を出すなどの症状も現れてきます。猫が食事などでとった養分を、回虫が横取りしてしまい下痢を引き起こすと言われています。

私もこの経験があり、知っている猫が何度も下痢していた時に、うねうねとした回虫も共に排出されることもあるんです。肉眼でも確認できる大きさですので、回虫が下痢に混じっている時には、うんちを病院に持ち込み一度検査をしてもらう事をお勧めします。

毛の艶がなくなる

回虫に寄生されると、上記のように下痢や嘔吐などの症状が現れてきますが、猫の見た目にも変化が現れてくるんです。今までは毛に艶があった猫でも、徐々に艶がなくなっていき、年老いた猫のような毛になってしまいます。

食べた養分を回虫がすべて奪ってしまうことから、猫本来の毛の艶が失ってしまうと考えられています。もし「毛に艶がなくなってきたな」と思った時は、回虫症を疑い獣医に相談してみる事も大切です。

見た目の変化は毛の艶だけでなく、お腹が急に膨れだすこともあります。大量の回虫が腹部に寄生することから、膨れだすと言われていて、まるで猫が妊娠しているかのような見た目になる事もあるんです。

食欲があるのに痩せていく

回虫症により、症状が悪化してくると、食欲はあるのに痩せていく事もあります。回虫に養分をとられ過ぎ「痩せる」という症状が現れ、栄養失調になり元気がなくなる子もいるんです。

子猫の場合は、発育不良になってしまい、程度が酷くなると腸閉塞を生じてしまう事もあります。

成長期の子猫にとって大切な栄養源を取られるということは、命を落としかねない危険も考えられるので、「沢山食べているのに大きくならない」「食欲はあるのに元気がない」などが見られた場合には、回虫症を疑い獣医に相談するようにしましょう。

猫回虫は人間にも感染する!症状や対処法などについて

今までは猫が回虫に、寄生されやすい感染経路や症状などについてお伝えしていきましたが、実は猫回虫は人間にも感染する恐ろしい寄生虫だったのです。人間に猫回虫が寄生した状態を「トキソカラ症」と呼び、感染場所が悪い場合は死に至る事もあります。

日本では回虫に寄生されている人口は、「100人に1人いる」と言われているほど、猫を飼っているあなたにも起こり得る病気なんです。回虫は人から人へも感染しかねない恐ろしい寄生虫で、そのような事にならない為にも、きちんとした対処が必要になっています。

こちらでは人が回虫に寄生された時に現れてくる症状や、猫からの感染を抑えるための対処法などを詳しく解説していきます。

人に感染した時の主な症状

人に回虫が感染した時の主な症状を、下記でお伝えしていきますので、次のような症状を出た場合には、必ず近くの病院で詳しく検査をしてもらう事が大切です。

  • 発熱・倦怠感(38度~39度の熱と寒気が生じる)
  • 腹痛(お腹に針が刺さるような痛さがある)
  • 咳(風邪をひいたかのような咳が続く)呼吸器に寄生している可能性が考えられる
  • 視覚障害(回虫の卵が手についた状態で目をこする事で感染する)幼児の場合は失明することもある
  • 肝臓など内臓の腫れ(内臓系に寄生する事で、腫れあがる

このような症状が現れた場合には、猫回虫に寄生されていると疑い、一度医師に相談するようにしましょう。

猫回虫を感染させない5つの対処法

猫回虫に感染されない為にも、飼っている猫が「感染されていない」とは決めつけずきちんとした予防をする必要があります。回虫は主に経口感染から寄生すると言われていて、あなたと愛猫の間で感染はしないとは言い切れないのです。

こちらでは飼い主のあなたが感染されない為の、愛猫に対する5つの対処法をお伝えしていきますので、次のようなことは必ず避ける様にした方が良いと思います。

1.可愛いからと口にキスをしないようにする

愛猫が可愛いからと言って、口にキスをしてしまうと、そこから回虫に感染される可能性も十分にあります。先ほどもお伝えしたように、経口感染が主な感染経路などで、絶対に口にキスをすることは控える様にしましょう。

飼い主からでなくても猫は愛情表現から、顔をスリスリとしてきますが、その時にキスと同じような状態で、経口感染してしまいます。

2.毎日のように一緒に寝ない

毎日のように一緒に寝る事でも、回虫に感染してしまう恐れもあります。例えば、顔のすぐそばでくっつくように寝ていたり、胸の上で寝る事によって、猫はあなたが寝ている時に愛情表現から、顔を寄せ付ける事もあるんです。

3.トイレの掃除をした後は手を洗う

猫が回虫に感染すると、先ほどもお伝えしたように、うんちに回虫の成虫や虫卵が混入している場合があります。成虫は目ではっきりと確認することはできますが、虫卵はとても小さいので確認することはほとんど不可能なのです。

うんちに卵が混入していることを知らずに、トイレを掃除し気づかずに手についてしまい、そこから経口感染してしまうこともあります。その為、猫のトイレを掃除した後は、必ず丁寧に手を洗う事が大切なのです。

4.食事中の箸や皿で食べさせない

人が食べるような肉や魚などをあなたが食べている時に、「猫も食べれるだろう」と思い、箸や皿などで与える事は絶対にやめてください。猫が食べた後にそのまま飼い主のあなたも食べていると、そこから感染してしまうこともあるんです。

回虫のほとんどの感染になる原因は、経口感染によるものですので、十分に注意が必要なのです。

5.猫と遊んだあとには手を洗う

トイレ掃除をした後だけでなく、猫と遊んだ後にも必ず手を洗う必要があります。

例えば抱っこして、スキンシップする様に遊んでいたとしたら、気づかないうちに猫の口やお尻などに触れている事もあり、そのまま何か手で物を食べるだけでも回虫に寄生されてしまうこともあるんです。

重い症状になると命を落とすことも

人間が回虫に感染した場合は、自然に治る事もありますが、重い症状を引き起こすケースもあるんです。トキソカラ症が重症化してくると、肺炎などで命を落とすこともあります。

他にも目に回虫が寄生してしまい、失明したという方も私は知っているので、十分な注意が必要なのです。そのような事にならない為にも、上記でお教えした症状が少しでも現れてきたと思ったら、「回虫に寄生されているかも」と疑い、医師に相談することが大切です。

妊婦の場合は流産を引き起こす場合もある!

重い症状になると命を落とすこともありますが、妊婦が回虫に感染されると、流産を引き起こす場合もあります。聞いた事があるかもしれませんが、「昔から妊婦がいる家では、猫を飼ってはいけない」と言われているは、回虫が原因だったのです。

流産だけでなく、死産を引き起こす可能性も十分あると考えられているので、妊婦の方は特に注意が必要です。

猫回虫を駆除する治療法

猫だけでなく人間にも被害がある猫回虫を駆除するには、ちゃんとした治療法があります。回虫による感染は誰にでも起こり得ることなので、必ず駆除する治療法を知っておく必要があるんです。

もし猫が回虫による症状が現れた場合には、下記の治療法を試して早めに駆除をするのが、猫だけでなくあなたの為にもなるはずです。

駆虫薬(虫下し)を飲ませる

猫が回虫に寄生された場合には、駆虫薬(虫下し)を飲ませる事が病院でもお勧めされています。虫下しという薬は、その名の通りにお腹の中に寄生している虫を、便と一緒んに排出する効果がある薬なんです。

病院でも駆虫薬をもらう事ができますが、最近ではホームセンターなどにもあり、値段もおよそ¥800円~¥1500円ほどで購入する事ができます。

種類は、錠剤の他にもシロップ、粉末の3種類から選ぶ事ができ、猫の好みによって選ぶ事ができます。

虫下しを飲ませた経験も私はありますが、一度飲ませると嘘のように、猫のうんちに紐状の回虫の死骸が混じって排出されています。この時に一度出たからと言って安心はせず、何度も試す事が大切ですよ。

駆除薬を皮膚に添下する

駆虫薬は体内の回虫に効果がある薬ですが、体外に回虫の卵が潜伏している場合も考えられるのです。この時には、駆除薬を皮膚に添下する治療法もあります。

皮膚に添下する事によって、体内外にいる回虫を駆除する事ができるんです。感染が明らかになった場合には、体内と体外の両方を治療するのが、獣医からもお勧めされています。

猫回虫を予防するためには?

猫回虫は猫だけでなく、飼い主のあなたにも感染しかねない恐ろしい寄生虫です。もし感染してしまったとしても、駆虫薬などの薬でも治療することはできますが、そうならない為にも日頃からの予防が大切なのです。

最後になりますが、こちらでは猫に対してあなたがしてあげる事ができる、回虫の予防方法を詳しくお伝えしていきますので、必ずチェックしておいてください。

定期的な便検査を行う

一つ目の猫回虫を予防するための方法として、定期的な便検査を行う事です。毎日の便検査を行う事で、うんちに回虫が「混入してしないか」「混入しているか」を把握する事ができます。

猫はうんちをしても、すぐに砂で隠す習性があるので、うんちを出す仕草をするようであれば、そばに行き確認してあげないと、検査をすることはできないですよ。

その他にも、自分で検査をするだけでなく、定期的に病院に便を持っていき検査をすることをお勧めします。回虫に寄生されると、目で確認できない虫卵が便と一緒に混じって出る場合もあるので、ご自身と病院での便検査をした方が私は良いと思います。

フィラリア予防薬を定期的に投与する

回虫などの腺虫類といった寄生虫には、フェラリア予防薬も効果があるとされています。フェラリア予防薬を定期的に病院で投与する事によって、回虫からの感染も防げるんです。

駆虫薬を1ヵ月に一度飲ませる

先ほどお伝えした駆虫薬(虫下し)を1ヵ月に一度飲ませる事でも、猫回虫からの予防にもなります。「毎日飲ませれば寄生されないんじゃないの?」と思いますが、猫にとってはそれだけ体の負担になってしまうのです。

その為、猫の体の負担を考え、毎日ではなく1ヵ月に一度の期間をあけ、飲ませる事が回虫からの予防となるのです。

多頭飼いの場合は常にトイレは清潔に保つ

猫を多頭飼いしている場合は、常にトイレを清潔に保つことでも、回虫からの予防になります。例えば、猫が便をしたらすぐに片付け、常にトイレを綺麗にしておけば、他の猫だけでなく、人への2次感染も防げるんです。

外に出た際には必ず念入りに洗う

猫が外に出た際には、必ず手足を念入りに洗ってください。猫回虫は、上記でもお伝えしたいようにとても生命力の強い寄生虫で、土などといった色々な所に生息しています。

もし猫が道端にいる虫卵を踏んでしまい、間違って舐める事でも感染してしまいます。手足が汚れていたら特に、念入りに洗う事が回虫の予防にもなります。

必ず猫の手足を洗ってあげた後は、ご自分の手も洗う事が大切ですよ。

母子感染を防ぐため妊娠前に駆虫薬が重要

猫が回虫に寄生される感染経路でも多いのが、母子感染です。母子感染を防ぐためにも、妊娠前には必ず駆虫薬を飲ませる事が重要になってきます。

母子感染を防ぐことで、感染源の元となる原因をたつことができるんです。他にも、せっかく生まれた子猫が回虫に寄生されてしまうと、養分を全てとられてしまい命を落とすこともあるので、妊娠前には駆虫薬を飲ませるのが重要なのです。

このように猫回虫は、様々な所に生息していて、人にも感染しかねない恐ろしい寄生虫なのです。主に口内感染が多いとされており、重症化すると命を失いかねないんです。

今回お伝えした予防をしっかりとすることが、猫だけでなく飼い主のあなたの為にもなるはずですので、今からちゃんとした予防対策を猫にしてあげて下さい。










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