猫が妊娠した時に知っておくべき事!妊娠〜産後って何をすれば良いの?




飼っている猫が妊娠したと知れば、何をその子にしてあげられるか、悩んでしまう方もいると思います。基本的には何もしないという話をよく耳にしますが、実は妊娠している猫に飼い主がしてあげられる事があるんです。

 

飼い主がしてあげられる事を知る為には、まずは妊娠の特徴を知っておく必要もあるんです。猫の妊娠は人間とは違い、様々な特徴があります。そこで今回は、飼っている猫が妊娠した時の為に、知っておいてもらいたい特徴や、妊娠時期に飼い主がしてあげられる事などを出産の立会経験豊富な私が詳しく解説していきますので、妊娠している猫を飼っている方は必見です。

 

猫が妊娠した場合の変化やサインを知る

猫は交尾をすると、99%に近い確率で妊娠するといわれています。猫が妊娠するとおよそ3週間ほどで、乳首やお腹が膨らみだす兆候が見られるんです。

 

猫が妊娠から出産に至るまでの変化やサインなどを、解説していきますので、是非参考にして下さい。

 

猫の妊娠期間は、たったの2ヶ月

人間の場合、10ヶ月ですが、猫の妊娠期間は、たったの2ヶ月です。とても短い期間で出産の準備をする必要があり、小さな変化を見分る事が大切です。

 

始めは人間のつわりのように、具合が悪くなったり、吐いたりする症状が現れてきて、これを病気と勘違いしてしまう事もあります。妊娠から来る体調の変化とも分からない場合もあるので、良く体を観察してあげる事が早期の発見へと繋がります。

 

  • 〜20日妊娠初期
  • 〜40日妊娠中期
  • 〜60日妊娠後期

このように大きく3つの段階に分けることが出来ます。

 

妊娠初期の変化やサイン

妊娠日から20日間を妊娠初期と言います。この期間は猫にとって最も辛い期間でもあり、吐き気や食欲不振などが伴います。

 

次第に乳首が膨らんできてピンクへと色づき、お腹も徐々に膨らみだす時期です。ですが、発情期の時でも同じように乳首が膨らむ事があるので、妊娠と間違ってしまう事もよくあります。

 

妊娠したかも?と不安な場合は、病院で一度受診する事をおすすめします。病院では超音波検査や心音の確認もしてくれるので、安心ですよ。

 

体重が増えだすのは妊娠中期から後期

妊娠から20日以上過ぎると妊娠中期に入り、40日ほどになると食欲が増加して体重が増えだす期間でもあります。この中期から後期になると、警戒心が強まってきて、イライラやストレスを感じてしまう症状が現れてくるので、なるべくストレスを与えないようにしましょう。

 

心配だからといって構いすぎると逆効果になり、ストレスの原因になります。妊娠50日ほどになると、子猫の動きを感じる事ができ、60日にはミルクが乳首からでる様になります。その後に食欲が激減しそわそわと落ち着きをなくしてきたら、猫が分娩の準備をしている証拠です。

 

胎子数にもよりますが、30日頃から徐々に体重が増え始めます。
目安としては、30日頃約10%、40日頃20%、50日頃30%、60日頃40%増加します。

引用元:yahoo知恵袋

 

偽妊娠には注意!

妊娠の変化や予兆などを解説してきましたが、猫には妊娠していないにも関わらず妊娠しているような症状になる「偽妊娠」というものもあるんです。乳首からミルクが出たり、お腹が大きくなったりと、ほとんど妊娠しているような状態で間違いやすいので注意が必要です。

 

オスと交尾したのに、妊娠に至らなかったことが原因といわれています。この偽妊娠の症状は、一般的に出産期の60日後まで続くことはなく、一般的に45日程度で落ち着きます。

 

妊娠と偽妊娠の判別は、素人では難しいので飼っている猫が「妊娠しているかも?」と思ったら、一度獣医に相談してみる事をおすすめします。

 

猫の妊娠中にしてあげられる事

猫の妊娠中に飼い主がしてあげられる事をこちらでは紹介していきたいと思います。

 

元気な赤ちゃんを出産するためには、飼い主も妊娠中の猫にできる限りの気遣いをしてあげなければいけないんです。特に妊娠中の猫は、周りを警戒したり攻撃的にになったりと、ストレスから流産や早産などをしてしまう可能性もあります。

 

そのような事にならない為にも、妊娠中の猫にストレスを与えないような環境づくりをしてあげる事が大切です。

 

自由に食事が出来る食べ放題スタイルにしてあげる

妊娠期間中は、今までのように沢山の量を1回で食べれないので、自由給餌といって、いつでも猫が好きな時に好きな量のドライフードを食べれるようにしておきましょう。

 

沢山の量を食べるからといって、食べさせ過ぎるのも注意が必要です。

 

食べ過ぎると、上手く消化ができずに消化不良から下痢、流産になってしまう事もあるんです。妊娠中の下痢は、そのような可能性も十分にありえるので、下痢をしているようであれば、すぐに病院に連れて行くようにしましょう。

 

※自由給餌は、キャットフードで有名なヒルズのサイトでも推奨されています。

胎児の成長に合わせて、エネルギー要求量は直線的に増えて行きます。ただしお腹が大きくなるにつれて、一度にたくさんの食事を食べられないため、ドライフードであれば常にフードが食べられる状態にします(自由給餌)。また缶詰フードであれば1日の給与量を数回に分けて与えます。

引用元:http://www.hills.co.jp/petlife/food/cat/1_02.shtml

 

生活環境を工夫する

生活環境を工夫してあげる事も大切です。お腹が大きくなるにつれ体も重たくなるので、今までのように高い所に乗り降りしたり、狭い場所に入ってしまうとお腹に負担がかかってしまいます。

 

静かで落ち着ける場所を作り、そこに「トイレ」「食事」「寝床」などといったあまり動かなくても大丈夫な環境を作ってあげる事が大切です。

 

このような安心出来る環境を作ってあげないと、飼い主が分からない暗い場所や狭い場所などで、出産をしてしまう事もあるんです。私の知っている猫も、タンスの隙間で出産をしてしまい大変な事になりましたので、このような生活環境を作ることをオススメします。

 

妊娠中の交尾には気をつけて!

飼っている猫が妊娠したからといって、オス猫と自由に交尾をさせていたら、異期複妊娠という妊娠中にまた妊娠するという恐れもあるんです。非常に母体に負担がかかる為、出産後に母猫が亡くなってしまう可能性も高まります。

 

妊娠中でも自由に外で遊ばせたり、うちで飼っていても多頭飼いの方は、異期複妊娠になる可能性もあるので、妊娠したと分かったら、オス猫と接触しない環境を作る事が大切です。

 

いよいよ出産!出産中にできること

妊娠2ヶ月になると周りを警戒して、そわそわしてくると、いよいよ出産です。出産が始まりだしたら、飼い主も落ち着けないですよね。そんな出産中に「何かしてあげられる事がないか?」と考えている方もいると思いますので、こちらではその出産中にしてあげられる事をお伝えしていきます。

 

初めて、出産み立ち会う方がほとんどだと思いますが、落ち着いて対処してあげれば猫も安心して、元気な赤ちゃんを産んでくれます。

 

基本的には放っておいてあげる

出産中の猫は、基本的に放っておくのがベストです。陣痛が始まりツラそうにしているからといって、お腹や背中などをさすると痛がる猫もいるので、放置してあげましょう。

 

ですが、出産中でも甘えて寄り添ってくる猫もいますので、そんな猫の場合は優しい声で励まして名前を呼んで安心させてあげましょう。

 

なるべく静かな環境を作る

猫は陣痛が始まると、うろうろと歩き回り安全に出産できる場所を探します。とても警戒している状態ですので、大きな音や声などにも敏感になってしまい、安心して出産できない事もあるんです。

 

安心して出産してもらうためにも、2ヶ月を過ぎそのような仕草が現れ出したら、なるべく部屋の中を静かにしてあげましょう。

 

新聞紙や乾いたタオルを用意してあげる

猫の出産場所が決まったら、新聞紙や乾いたタオルを用意し、敷いてあげる事も重要なポイントです。猫の分娩はおよそ15分おきに、4匹~6匹ほど生まれてきます。

 

一般的な母猫は、出産後すぐに子猫の体を綺麗にするのですが、短時間の出産で数匹の子猫が生まれてくるので、余裕がなく生まれたばかりの子猫を放っておくこともあるんです。

 

そんな時には、乾いたタオルで体を綺麗にしてあげる事が大切です。下に敷く新聞紙は、子猫のツメが引っかかる事もなく、汚れても交換できますし保温性も高いので、体温調整のできない生まれたばかりの子猫には最適な物なんです。

 

生まれた子猫をなめてあげる母猫の動画

 

1時間以上も出産をしなかったら病院へ

陣痛が始まり1時間以上も出産をしなかったら、病院に連れて行くことを考えておく必要があります。猫の出産時間は、およそ15分程度と言われていて、1時間で5匹ほど生まれてくるんです。

 

平均的に一匹目が生まれてくるのは、陣痛から30分程度ですが1時間を超えるようであれば、産道に何らかの原因で子猫がつかえている可能性も十分に考えられます。そのような状態が続いていると、死産で生まれてくる事もあるんです。

 

そうならない為にも、これから生まれてくる大切な子猫を守るために、1時間以上1匹も出産できずにいたら、病院に電話で相談してみましょう。

 

母猫が出産した後に飼い主がするべきことは?

母猫が子猫を無事に出産したからといって、そこで安心してはいけません。分娩後に、子猫の体についている胎盤を綺麗に食べてくれ、へその緒も噛み切ってくれますが、それだけではまだ十分な安心とは言えないんです。

 

必ず出産後に飼い主がするべき事があり、これらの事を確認しなければ生まれたばかりの命を、失ってしまう恐れもあります。そのような事にならない為にも、こちらでは出産した後に飼い主が絶対にしなくてはいけない事をお伝えしていきます。

 

仮死状態の子猫が生まれたら蘇生を試みる

初めて出産する猫は、難産になる割合も多く、一匹目の死亡率が高いと言われています。もしそのような仮死状態で生まれてきたら、飼い主が乾いたタオルなどで顔の羊水を取り除き、胸辺りを優しくマッサージしてあげる必要があります。

 

この時に体をタオルで温める様にして、マッサージしてあげてください。それで鳴き声を上げたら安心ですが、蘇生しない場合もあるので心の準備も必要なんです。

 

へその緒が絡まっていないか確認

初めての出産で一匹目の子猫は、逆子も多くへその緒が首に絡まり窒息してしまう恐れもあるんです。その他にも、母猫がへその緒を噛み切ってくれず、へその緒が首に絡まり命を落とすケースもあります。

 

そうならないように、必ず生まれたばかりの子猫のへその緒を確認してあげる事が大切です。

 

私の知っている出産一匹目の子猫もそのような状態でしたが、先ほどお教えした対処法で一命をとりとめたので、仮死状態で生まれてきたら、慌てずに対処する事が重要です。

 

母猫が子猫を踏んでいないか見る

生まれたばかりの子猫は、母猫に体を綺麗にして貰ったら一斉に乳首を探し出しミルクを飲み始めます。この時に、数匹の子猫が乳首に群がり母猫も気づかずに、踏んでいる事もあるんです。

 

生後間もない子猫はまだ体がしっかりとしていない為、少しの間でも踏まれていると窒息してしまう恐れもあるんです。その為、出産した後には必ず、子猫を踏んでいないかを確認することも、飼い主の大切な仕事です。

 

母乳をちゃんと飲んでいるか?

体を綺麗にして貰ったらミルクを飲み始めますが、この時に母乳を全員がちゃんと飲んでいるを確認する事も大切です。生まれたばかりの子猫は、すぐに栄養失調になる恐れもあるので、飲んでいない子がいないか見る事も重要なポイントです。

 

もしも、ちゃんと母乳を飲めていない子猫がいた場合には、母猫の乳首に誘導してあげてください。他の子猫より体の小さい未熟児が飲んでいなかったら尚更、その子を優先的に飲ませてあげないと、栄養不足で命を落としかねないので注意が必要です。

 

出産後に母猫が流血していないか?

母猫が子猫を無事に出産した後に、流血をしている様子がないか見るのも飼い主の大切な役目です。何らかの原因で流血している状態であれば、すぐに獣医に相談しましょう。

 

出産が終わった後すぐに、子猫たちにミルクを与えなくてはならないので、そのまま母猫を病院に連れてはいけない状態になってしまいます。その為、もし流血が見られた際には、一度獣医に相談しどのように対処をすればいいか確認しましょう。

 

猫の出産をさせせずに中絶って出来るの?

飼っている猫の妊娠は、喜ばしい事ですが経済的や飼っている環境などで、多頭飼いをできないという方もいると思います。そんな時に考えなくてはならないのが、猫の中絶です。そんな妊娠中の猫の中絶方法は「薬の投与」「手術」の2種類あるんです。

 

こちらではそんな猫の出産をせずに、もし中絶を考えるのであれば「いつまでする事ができるのか?」やその中絶によっての、メリットやデメリットなどをお教えしていきます。

 

一般的には分娩する前なら可能

猫の中絶は一般的に、分娩をする前なら可能と言われていますが、妊娠後期になってくるとその分体の子猫も大きくなり、妊娠中の猫の体の負担もそれだけかかってしまいます。

 

大きくなればなるほど傷口も大きくなり、出血量が増えてしまい輸血も必要になってくるんです。前期の場合は、薬の投与で中絶する事ができますが、このように後期の中絶になってくると手術でしかできないので、早めの決断も猫の体の為にもなります。

 

中絶の費用や通院期間は?

猫の中絶費用は、避妊手術と基本的に同じになり、「避妊手術+中絶料金」の費用になってきます。薬での中絶の場合は、この手術代よりも比較的に安くしませる事ができますが、後期の中絶の場合は手術でしかできないのです。

 

  • 避妊手術の費用は一般的に1万円~3万円
  • 中絶費用がおよそ5000円~2万円

合計1万5000円〜5万円ほどの費用が必要になります。

 

中絶によっての通院期間は、中絶時期にもよりますが、早ければ日帰りで帰る事ができ、1泊~2泊する事もあります。手術で中絶をした場合には、抜糸の為に通院することもあるのです。

 

薬で中絶する場合のメリットとデメリット

Photo via Visualhunt.com

薬の中絶の最大のメリットは、今後もまた妊娠ができるということです。ですが、後期の中絶になってくると先ほどもお伝えしたように、手術でしかできないので、これからまた妊娠させたいと考えるのであれば、早めの中絶が必要になってきます。

 

そんな薬でのデメリットは、薬の副作用によって引き起こす病気なんです。その病気も様々あり主には、「子宮蓄膿症」「子宮炎」いった病気や、貧血などとって症状も現れる可能性も十分に考えられるんです。

 

手術で中絶する場合のメリットとデメリット

手術によって中絶するメリットは、子宮や乳腺などの病気を予防できる事です。その他にも、発情をする事もなくなるので、独特な鳴き声や尿スプレーなどもなくなります。色々な病気を予防できるということもあって、長生きをできるのも手術で中絶するメリットなんです。

 

そんな手術にもデメリットがあり、薬の中絶とは違い今後妊娠する事はできなくなってしまいます。しかも全身麻酔での手術になるので、危険性がないとは言えないんです。

 

また、一度発情期を迎えた猫の避妊手術は、猫にとって大きなストレスになります。発情の感覚を覚えているけど、発情出来ない・・・という状況は大きなストレスなんです。

 

私の知っている猫では、避妊手術によってホルモンバランスが崩れ、太りやすい体質になり、かなり太ってしまった猫もいるんです。太る事で糖尿病などといった病気に繋がる事も考えられるので、注意が必要です。

 

命があるという事を忘れないで下さい。

猫が妊娠した時の特徴や、飼い主がしてあげられる事などを今回はお伝えしてきました。うちで飼っている猫が妊娠したと知れば、大変うれしい気持ちになると思いますが、その反面これから「全員育てていけるのか?」「里親はいるのか?」など様々な不安も伴ってくると思います。

 

私も何度も猫の妊娠や出産などをみてきましたが、どの方も「うちで何匹育てるか」「里親を探す」などしっかりとした計画を立てて猫を出産させていました。

 

もし飼っている猫が妊娠した際には、きちんと責任もって産ませるのか?中絶するか?判断して下さい。育てる気も無いのに、妊娠させて中絶または子猫を捨てるような無責任な行為は、絶対にやめて下さい。生きたいと思う子猫の命を奪う事ほど身勝手な行為はありません。命を大切にしましょう。










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